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7節 スタッド溶接及びデッキプレートの溶接/7章 鉄骨工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

7.7.1 一般事項

この節は、スタッド溶接又はデッキプレートの溶接に適用する。

7.7.2 スタッド溶接作業を行う技能資格者

(1) スタッド溶接作業は、技能資格者が行う。

(2) スタッド溶接作業の技能資格者の能力に疑いを生じた場合は、工事に相応した試験を行い、その適否を判定し、監督職員の承諾を受ける。

(3) (1)及び(2)以外は、1.5.3[技能資格者]による。

7.7.3 スタッドの仕上り

(1) スタッドの仕上り高さは、所定の高さ-2mmから所定の高さ+2mmまでの範囲とする。

(2) スタッドの傾きは、5°以内とする。

(3) カラーがスタッドの軸全周にわたって形成されているものとする。

(4) 母材又はスタッド材軸部に発生したアンダーカットは、0.5mm以内とする。

7.7.4 スタッド溶接施工

(1) スタッド溶接は、アークスタッド溶接の直接溶接とし、下向き姿勢とする。
ただし、やむを得ず下向き以外の姿勢で溶接を行う場合は、溶接姿勢に相応した能力を有する者が溶接することとする。

(2) スタッド溶接用電源は、専用電源とする。
ただし、スタッド溶接に必要な容量が確保できる場合は、この限りでない。

(3) 次の場合は、施工に先立ち2本以上の試験溶接を行い、7.7.3 の仕上がりの確認及び打撃曲げ試験を行う。
この結果から溶接電流、溶接時間等の適切な溶接条件を確認する。
なお、打撃曲げ試験の曲げ角度は、30°とする。

(ア) 午前及び午後の作業開始前

(イ) 溶接装置の移動又は交換時

(ウ) スタッドの径が異なるごと

(4) 磁気吹きの影響を受けるおそれがある場合は、必要な措置を講ずる。

(5) 溶接面に、水分、錆、塗料、亜鉛めっき等の溶接作業及び溶接結果に支障となるものがある場合は、スタッド軸径の2倍以上を丁寧に除去し、清掃を行う。

(6) デッキプレートを貫通させてスタッド溶接を行う場合は、事前に引張試験、曲げ試験、マクロ試験等を行い、溶接部の品質が確保できる施工条件を定める。

7.7.5 気温等による措置

(1) 気温が0℃以下の場合は、溶接を行わない。
ただし、溶接部から100㎜の範囲の母材部分を36℃程度にガスバーナー等で加熱して溶接する場合は、この限りでない。

(2) 降雨、降雪等で母材がぬれている場合又は溶接に影響を及ぼすような風が吹いている場合は、溶接を行わない。
ただし、適切な措置を講じ支障のない場合は、この限りでない。

7.7.6 スタッド溶接完了後の試験

(1) スタッド溶接完了後の試験は、次による。

(ア) 外観試験

(a) 全てのスタッド溶接部について、母材及びスタッド材軸部のアンダーカットの有無を確認する。

(b) 全てのスタッド溶接部のカラーを確認し、7.7.3(3)を満足しないスタッドは、(イ)(b) に準じて打撃曲げ試験を行う。

(c) スタッドの仕上り高さ及び傾きの試験は、次による。

① 試験は抜取りとし、1ロットにつき1本以上抜き取る。

② ロットの大きさは、100本及びその端数とする。
また、ロットは、スタッドの種類ごと及び溶接される部材ごとに構成する。

③ スタッドの仕上りの高さ及び傾きは、測定器具を用いて計測する。

④ 試験したスタッドが合格の場合は、そのロットを合格とする。

⑤ 試験したスタッドが不合格の場合は、同一ロットから更に2本のスタッドを試験し、2本とも合格した場合は、そのロットを合格とする。
それ以外の場合は、ロットの全てのスタッドを試験する。

(イ) 打撃曲げ試験

(a) 試験は抜取りとし、(ア)(c)の①及び②による。

(b) 打撃により15°まで曲げ、溶接部に割れその他の欠陥が生じない場合は、そのロットを合格とする。

(c) 試験したスタッドが不合格の場合は、(ア)(c)⑤による。

(d) 打撃曲げ試験に使用したスタッドは、欠陥のない場合、そのまま使用する。

(2) (1)の試験結果の記録を監督職員に提出し、不合格となったスタッドは、7.7.7による補修を行う。

7.7.7 不合格スタッド溶接の補修

(1) 試験したスタッドが不合格の場合は、隣接部に打直しを行う。
なお、隣接部に打直しができない場合は、(2)に準じて不合格スタッドを除去した後、打直しを行う。

(2) 欠陥が母材に及んでいる場合は、スタッドを除去した後、予熱して補修溶接を行い、グラインダーで母材表面を平滑に仕上げた後に打直しを行う。

(3) (1)又は(2)により打直しを行った全てのスタッドに対して 7.7.6(1)(ア)に準じて試験を行い、その結果の記録を監督職員に提出し、承諾を受ける。

7.7.8 デッキプレートの溶接

デッキプレートと鉄骨部材の溶接方法は、特記による。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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4節 ガス圧接/5章 鉄筋工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

5.4.1 一般事項 5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者 5.4.3 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者 5.4.4 圧接部の品質 5.4.5 圧接一般 5.4.6 鉄筋の加工 5.4.7 鉄筋の圧接前の端面 5.4.8 天候等による措置 5.4.9 圧接作業 5.4.10 圧接完了後の圧接部の試験 5.4.11 不合格となった圧接部への措置 5.4.1 一般事項 この節は、鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて加熱し、圧力を加えながら接合するガス圧接に適用する。 5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者 (1) ガス圧接作業は、技能資格者が行う。 (2) 技能資格者は、 JIS Z 3881 (鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準) に従う工事に相応した試験に基づく能力を有する者とする。 (3) (1)及び(2)以外は、 1.5.3[技能資格者] による。 5.4.3 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者 (1) 5.4.10(イ) の圧接部の超音波探傷試験は、技能資格者が行う。 (2) 技能資格者は、圧接部に関する知識、超音波探傷試験の原理及び方法等について十分な知識及び経験に基づく能力を有する者とする。 (3) 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者は、当該工事における圧接部の品質管理を行っていない者とする。 (4) (1)から(3)まで以外は、 1.5.3[技能資格者] による。 5.4.4 圧接部の品質 圧接後の圧接部の品質は、次による。 (ア) 圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1.4倍以上であること。 (イ) 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1 倍以上とし、その形状がなだらかであること。 (ウ) 圧接部のふくらみにおける圧接面のずれは、鉄筋径の1/4 以下であること。 (エ) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1/5以下であること。 (オ) 圧接部の折れ曲りは、2°以下であること。 (カ) 圧接部の片ふくらみは、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1/5以下であること。 (キ) 圧接部は、強度に影響を及ぼす焼割れ、へこみ、垂下がり及び内部欠陥がないこと。 5.4.5 圧接一般

3節 モルタル塗り/15章 左官工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

15.3.1 適用範囲 15.3.2 材料 15.3.3 調合及び塗厚 15.3.4 下地処理 15.3.5 工法 15.3.1 適用範囲 この節は、コンクリート下地、コンクリートブロック下地等の面に施すセメント、細骨材等を主材料としたモルタル塗りに適用する。 15.3.2 材料 (1) モルタルは、現場調合材料又は既調合材料とし、適用は特記による。 (ア) 現場調合材料 (a) セメントは、 6.3.1[コンクリートの材料](1) による。 (b) 白色ポルトランドセメントは、 JIS R 5210 (ポルトランドセメント) に準ずる。 (c) 細骨材 ① 砂は、良質で塩分、泥土、じんかい及び有機物を有害量含まないものとする。 粒度は、表15.3.1により、細粗粒が適切に混合したものとする。 ② 色砂の粒度は、表15.3.1に準ずる。 ③ 内壁下塗り用軽量モルタルの細骨材は、セメント混和用軽量発泡骨材とし、建築基準法に基づく不燃材料の指定又は認定を受けたものとする。 (イ) 既調合材料は、特記による。 (2) 水は、水道水を使用する。 ただし、井水を使用する場合は、清浄で塩分、鉄分、硫黄分、有機物等を有害量含まないものとする。 (3) 混和材料は、次により、モルタルの性能に著しい悪影響を与えないものとする。 (ア) 混和材は、左官用消石灰、ドロマイトプラスター等とする。 また、色モルタルの場合は、色彩に影響を与えるものは避ける。 (イ) 保水剤は、メチルセルロース等の水溶性樹脂とし、実績等の資料を監督職員に提出する。 (ウ) 建具回り等の充填モルタルに使用する防水剤及び凍結防止剤の実績等の資料を監督職員に提出する。 (エ) ポリマーセメントモルタル、ポリマーセメントペースト用の混和剤は、 JIS A 6203 (セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂) に基づくセメント混和用ポリマーディスパージョンとする。 (オ) 内壁下塗り用軽量モルタルに使用する混和材は、骨材の製造所の仕様による。 (カ) 顔料は、耐アルカリ性の無機質で、直射日光等に対しても変色が少なく、金属を錆びさせないものとする。 (4) 吸水調整材の品質は、表 15.3.2 による。 (5) 下地調整塗材は、 JI

2節 表面処理/14章 金属工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

14.2.1 ステンレスの表面仕上げ 14.2.2 アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理 14.2.3 鉄鋼の亜鉛めっき 14.2.1 ステンレスの表面仕上げ ステンレスの表面仕上げの種類は、特記による。 特記がなければ、表面仕上げは、HL程度とする。 14.2.2 アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理 (1) アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理は、表14.2.1 により、種別は、特記による。 (2) 陽極酸化皮膜の着色方法は、特記による。 特記がなければ、二次電解着色とし、色合等は特記による。 (3) 種別が表14.2.1のAB-1種、AB-2種、AC-1種又はAC-2種の場合は、表面処理後に次の措置を講ずる。 (ア) アルカリ性材料と接する箇所は、耐アルカリ性の塗料を塗り付ける。 (イ) シーリング被着面は、水和封孔処理による表面生成物を取り除く。 14.2.3 鉄鋼の亜鉛めっき (1) 鉄鋼の亜鉛めっきは表14.2.2により、種別は特記による。 (2) 溶融亜鉛めっき面の仕上りは、 JIS H 8641 (溶融亜鉛めっき) に準じ、表14.2.3による。 また、溶融亜鉛めっき面の欠陥部分の補修は、表14.2.4による。 このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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