5.3.1 加工及び組立一般
(1) 鉄筋は、設計図書に指定された寸法及び形状に合わせ、常温で正しく加工して組み立てる。
(2) 有害な曲がり、損傷等のある鉄筋は、使用しない。
(3) コイル状の鉄筋は、直線状態にしてから使用する。
この際、鉄筋に損傷を与えない。
(4) 鉄筋には、点付け溶接を行わない。
また、アークストライクを起こしてはならない。
5.3.2 加工
(1) 鉄筋の切断は、シヤーカッター等により行う。
(2) 次の部分に使用する異形鉄筋の末端部にフックを付ける。
(ア) 柱の四隅にある主筋の重ね継手及び最上階の柱頭
(イ) 梁の出隅及び下端の両隅にある梁主筋の重ね継手 (基礎梁を除く。)
(ウ) 煙突の鉄筋 (壁の一部となる場合を含む。)
(エ) 杭基礎のベース筋
(オ) 帯筋、あばら筋及び幅止め筋
(3) 鉄筋の折曲げ形状及び寸法は、表 5.3.1による。
なお、異形鉄筋の径 (この節の本文、図及び表において「d」で示す。) は、呼び名に用いた数値とする。
5.3.3 組立
鉄筋は、鉄筋継手部分及び交差部の要所を径0.8mm 以上の鉄線で結束し、適切な位置にスペーサー、吊金物等を使用して、堅固に組み立てる。
なお、スペーサーは、所定の位置に鉄筋を保持するとともに、作業荷重等に耐えられるものとする。
また、鋼製のスペーサーは、型枠に接する部分に防錆処理を行ったものとする。
5.3.4 継手及び定着
(1) 鉄筋の継手は、重ね継手、ガス圧接継手、機械式継手又は溶接継手とし、適用は特記による。
(2) 鉄筋の継手位置は、特記による。
(3) 鉄筋の重ね継手は、次による。
なお、径が異なる鉄筋の重ね継手の長さは、細い鉄筋の径による。
(ア) 柱及び梁の主筋並びに耐力壁の鉄筋の重ね継手の長さは、特記による。
特記がなければ、耐力壁の鉄筋の重ね継手の長さは、40d (軽量コンクリートの場合は50d) 又は表5.3.2の重ね継手の長さのうちいずれか大きい値とする。
(イ) (ア)以外の鉄筋の重ね継手の長さは、表5.3.2による。
(4) 隣り合う継手の位置は、表5.3.3 による。
ただし、スラブ筋でD16以下の場合及び壁筋の場合は除く。
なお、先組み工法等で、柱及び梁の主筋のうち、隣り合う継手を同一箇所に設ける場合は、特記による。
(5) 鉄筋の定着は、次による。
(ア) 鉄筋の定着の長さは、特記による。
特記がなければ、表5.3.4 による。
(イ) 仕口内に縦に折り曲げて定着する鉄筋の定着長さLが、表5.3.4 のフックありの定着の長さを確保できない場合の折曲げ定着の方法は、特記による。
特記がなければ、図 5.3.3 により、次の(a)から(c)までを全て満足するものとする。
(a) 全長は、表5.3.4の直線定着の長さ以上とする。
(b) 余長は8d以上とする。
(c) 仕口面から鉄筋外面までの投影定着長さLa及びLbは、表5.3.5 に示す長さとする。
ただし、梁主筋の柱内定着においては、柱せいの3/4倍以上とする。
(6) 溶接金網及びスパイラル筋の継手及び定着は、次による。
(ア) 溶接金網の継手及び定着は、図 5.3.4 による。
なお、L1は表5.3.2に、L2 及びL3は表5.3.4による。
(イ) スパイラル筋の継手及び定着は、図5.3.5 による。
5.3.5 鉄筋のかぶり厚さ及び間隔
(1) 鉄筋及び溶接金網の最小かぶり厚さは、特記による。
特記がなければ、表5.3.6による。
ただし、柱及び梁の主筋にD29以上を使用する場合は、主筋のかぶり厚さを径の 1.5 倍以上確保するように最小かぶり厚さを定める。
(2) 柱、梁等の鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mmを加えた数値を標準とする。
(3) 鉄筋組立後のかぶり厚さは、最小かぶり厚さ以上とする。
(4) 鉄筋相互のあきは図5.3.6により、次の値のうち最大のもの以上とする。
ただし、機械式継手及び溶接継手の場合は、5節又は6節による。
(ア) 粗骨材の最大寸法の1.25倍
(イ) 25mm
(ウ) 隣り合う鉄筋の径(5.3.2(3)によるd)の平均の 1.5倍
(5) 鉄骨鉄筋コンクリート造の場合、主筋と平行する鉄骨とのあきは、(4)による。
(6) 貫通孔に接する鉄筋のかぶり厚さは、最小かぶり厚さ以上とする。
5.3.6 鉄筋の保護
(1) 鉄筋の組立後、スラブ、梁等には、歩み板を置き渡す等の措置を講じ、直接鉄筋の上を歩かないようにする。
(2) コンクリートの打込みによる、鉄筋の乱れを可能な限り少なくするとともに、かぶり厚さ、鉄筋の位置及び間隔の保持に努める。
5.3.7 各部配筋
各部の配筋は、特記による。
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