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11節 寒中コンクリート/6章 コンクリート工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

6.11.1 一般事項

(1) この節は、コンクリート打込み後の養生期間中に、コンクリートが凍結するおそれのある期間に施工するコンクリートに適用する。

(2) 寒中コンクリートの適用期間は、特記による。

(3) 養生方法、保温管理方法等必要な事項を施工計画書に定める。

(4) コンクリートの製造、打込み及び養生に当たり、コンクリートが所定の温度を保つようにする。

(5) この節に規定する事項以外は、1節から9節までによる。

6.11.2 材料及び調合

(1) 骨材は、氷雪の混入のないもの及び凍結していないものを使用する。

(2) 調合は、所定の設計基準強度(Fc)が所定の材齢により得られ、かつ、6.11.4に基づく養生計画に応じて定める。

(3) 調合管理強度及び調合強度は、6.3.2(ア)により、構造体強度補正値(S)は、次のいずれかにより定める。

(ア) コンクリートの打込みから材齢 28 日までの予想平均気温により定める場合は、表 6.3.2による。
ただし、コンクリートの打込みから材齢91日までの積算温度が 840°D・D以上となる場合に限る。
なお、表 6.3.2において、予想平均気温の代わりに、あらかじめ計画した養生方法で想定した養生温度を用いることができる。

(イ) 積算温度を基に定める場合は、特記による。

(4) 水セメント比の最大値は、60%とする。

6.11.3 製造、運搬、打込み等

(1) レディーミクストコンクリート工場は、荷卸し時に所定のコンクリート温度が得られるよう、運搬時間を考慮して選定する。

(2) コンクリートの練上り温度は、運搬時間、施工条件、気象条件等を考慮して、コンクリートの荷卸し時の温度が、10℃以上 20℃未満となるように定める。

(3) 材料を加熱する場合、セメントは加熱しない。
また、骨材は直接火で加熱しない。

(4) 加熱した材料を練り混ぜる場合は、セメント投入前のミキサー内の骨材及び水の温度を 40℃以下とする。

(5) 型枠組立後、型枠内に積雪のおそれのある場合は、シート等で覆う。
また、型枠の内部や鉄筋等の表面に氷雪が付着した場合は、打込みに先立ち取り除く。

(6) 凍結した地盤上にコンクリートを打ち込まない。

(7) 凍結した地盤上に型枠の支柱を立てない。
また、地盤が凍結するおそれのある場合は、支柱の足元を保温する。

6.11.4 養生

(1) 一般事項

(ア) 養生期間中は、保温された空間の温度及び気温を自記記録温度計等により記録し、保温管理を行う。

(イ) 初期養生期間中は、コンクリートの温度についても自記記録温度計等により記録し、測定は、打ち込まれたコンクリートで最も温度が低くなる部位で行う。

(ウ) 保温養生に必要な保温又は採暖の方法は、気象記録、予報等を参考に定める。
なお、必要に応じて加熱試験を行う。

(エ) 採暖する場合は、コンクリートが均等に加熱され、かつ、急激に乾燥しないようにする。
また、採暖終了後のコンクリートは、急激に温度が低下しないよう必要な措置を講ずる。

(2) 初期養生

(ア) 初期養生は、6.11.6によるコンクリートの圧縮強度が5N/mm2 以上となるまで行う。

(イ) 初期養生の方法は、打ち込んだコンクリートの全ての部分について、その温度が2℃以下にならない方法とし、次による。

(a) コンクリートの打込み後、直ちに露出面をシート等の適切な材料で隙間なく覆う。

(b) 気温が一時的にでも0℃以下になると予想される場合は、コンクリート露出面及び開口部をシート等の適切な材料で隙間なく覆う。

(c) 気温が、数日にわたり0℃以下になると予想される場合又は一時的にでも-10℃以下になると予想される場合は、構造物全体をシート、合板等の適切な材料で覆い、構造物の内外部を所定の温度に保つように採暖する。

(3) 初期養生の後、継続して養生を行う場合は、次による。

(ア) 養生方法は、(2)(イ)の(a)から(c)までに準じて行う。

(イ) 継続した養生の打切りは、所定のコンクリート強度が得られることを、保温管理の記録及び 6.11.6によるコンクリートの強度試験によって確認した後に行う。

6.11.5 型枠

型枠の取外し時期は、6.8.4のコンクリートの圧縮強度により決定する方法による。

6.11.6 試験

(1) 試験の目的に応じた、1回の試験、供試体の養生方法及び材齢は、表6.11.1 による。

表 6.11.1 1回の試験、供試体の養生方法及び材齢

(2) 供試体が凍結しているおそれのある場合は、試験を行う前に約 10℃の水中に、2時間から6時間浸漬する。

(3) 構造体コンクリート強度の判定は、材齢28 日の圧縮強度試験の1回の試験の結果が設計基準強度(Fc)に 0.7 を乗じた値以上であり、かつ、材齢 28 日を超え 91 日以内の圧縮強度試験の1回の試験の結果が、設計基準強度(Fc)に 3N/mm2 を加えた値以上であれば合格とする。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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4節 ガス圧接/5章 鉄筋工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

5.4.1 一般事項 5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者 5.4.3 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者 5.4.4 圧接部の品質 5.4.5 圧接一般 5.4.6 鉄筋の加工 5.4.7 鉄筋の圧接前の端面 5.4.8 天候等による措置 5.4.9 圧接作業 5.4.10 圧接完了後の圧接部の試験 5.4.11 不合格となった圧接部への措置 5.4.1 一般事項 この節は、鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて加熱し、圧力を加えながら接合するガス圧接に適用する。 5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者 (1) ガス圧接作業は、技能資格者が行う。 (2) 技能資格者は、 JIS Z 3881 (鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準) に従う工事に相応した試験に基づく能力を有する者とする。 (3) (1)及び(2)以外は、 1.5.3[技能資格者] による。 5.4.3 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者 (1) 5.4.10(イ) の圧接部の超音波探傷試験は、技能資格者が行う。 (2) 技能資格者は、圧接部に関する知識、超音波探傷試験の原理及び方法等について十分な知識及び経験に基づく能力を有する者とする。 (3) 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者は、当該工事における圧接部の品質管理を行っていない者とする。 (4) (1)から(3)まで以外は、 1.5.3[技能資格者] による。 5.4.4 圧接部の品質 圧接後の圧接部の品質は、次による。 (ア) 圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1.4倍以上であること。 (イ) 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1 倍以上とし、その形状がなだらかであること。 (ウ) 圧接部のふくらみにおける圧接面のずれは、鉄筋径の1/4 以下であること。 (エ) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1/5以下であること。 (オ) 圧接部の折れ曲りは、2°以下であること。 (カ) 圧接部の片ふくらみは、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1/5以下であること。 (キ) 圧接部は、強度に影響を及ぼす焼割れ、へこみ、垂下がり及び内部欠陥がないこと。 5.4.5 圧接一般

3節 モルタル塗り/15章 左官工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

15.3.1 適用範囲 15.3.2 材料 15.3.3 調合及び塗厚 15.3.4 下地処理 15.3.5 工法 15.3.1 適用範囲 この節は、コンクリート下地、コンクリートブロック下地等の面に施すセメント、細骨材等を主材料としたモルタル塗りに適用する。 15.3.2 材料 (1) モルタルは、現場調合材料又は既調合材料とし、適用は特記による。 (ア) 現場調合材料 (a) セメントは、 6.3.1[コンクリートの材料](1) による。 (b) 白色ポルトランドセメントは、 JIS R 5210 (ポルトランドセメント) に準ずる。 (c) 細骨材 ① 砂は、良質で塩分、泥土、じんかい及び有機物を有害量含まないものとする。 粒度は、表15.3.1により、細粗粒が適切に混合したものとする。 ② 色砂の粒度は、表15.3.1に準ずる。 ③ 内壁下塗り用軽量モルタルの細骨材は、セメント混和用軽量発泡骨材とし、建築基準法に基づく不燃材料の指定又は認定を受けたものとする。 (イ) 既調合材料は、特記による。 (2) 水は、水道水を使用する。 ただし、井水を使用する場合は、清浄で塩分、鉄分、硫黄分、有機物等を有害量含まないものとする。 (3) 混和材料は、次により、モルタルの性能に著しい悪影響を与えないものとする。 (ア) 混和材は、左官用消石灰、ドロマイトプラスター等とする。 また、色モルタルの場合は、色彩に影響を与えるものは避ける。 (イ) 保水剤は、メチルセルロース等の水溶性樹脂とし、実績等の資料を監督職員に提出する。 (ウ) 建具回り等の充填モルタルに使用する防水剤及び凍結防止剤の実績等の資料を監督職員に提出する。 (エ) ポリマーセメントモルタル、ポリマーセメントペースト用の混和剤は、 JIS A 6203 (セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂) に基づくセメント混和用ポリマーディスパージョンとする。 (オ) 内壁下塗り用軽量モルタルに使用する混和材は、骨材の製造所の仕様による。 (カ) 顔料は、耐アルカリ性の無機質で、直射日光等に対しても変色が少なく、金属を錆びさせないものとする。 (4) 吸水調整材の品質は、表 15.3.2 による。 (5) 下地調整塗材は、 JI

2節 表面処理/14章 金属工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

14.2.1 ステンレスの表面仕上げ 14.2.2 アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理 14.2.3 鉄鋼の亜鉛めっき 14.2.1 ステンレスの表面仕上げ ステンレスの表面仕上げの種類は、特記による。 特記がなければ、表面仕上げは、HL程度とする。 14.2.2 アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理 (1) アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理は、表14.2.1 により、種別は、特記による。 (2) 陽極酸化皮膜の着色方法は、特記による。 特記がなければ、二次電解着色とし、色合等は特記による。 (3) 種別が表14.2.1のAB-1種、AB-2種、AC-1種又はAC-2種の場合は、表面処理後に次の措置を講ずる。 (ア) アルカリ性材料と接する箇所は、耐アルカリ性の塗料を塗り付ける。 (イ) シーリング被着面は、水和封孔処理による表面生成物を取り除く。 14.2.3 鉄鋼の亜鉛めっき (1) 鉄鋼の亜鉛めっきは表14.2.2により、種別は特記による。 (2) 溶融亜鉛めっき面の仕上りは、 JIS H 8641 (溶融亜鉛めっき) に準じ、表14.2.3による。 また、溶融亜鉛めっき面の欠陥部分の補修は、表14.2.4による。 このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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