9.3.1 一般事項
この節は、コンクリート下地、ALCパネル下地及びプレキャストコンクリート下地に、改質アスファルトシートをトーチ工法又は常温粘着工法により施工する露出防水に適用する。
9.3.2 材料
(1) 改質アスファルトシート
(ア) 改質アスファルトシートは、JIS A 6013 (改質アスファルトルーフィングシート) に基づき、種類及び厚さは、特記による。
特記がなければ、表 9.3.1 から表 9.3.3までによる。
(イ) 粘着層付改質アスファルトシート及び部分粘着層付改質アスファルトシ-トは、JIS A 6013に基づき、種類及び厚さは、特記による。
特記がなければ、表 9.3.1 から表9.3.3 までによる。
なお、粘着層は強風による飛散、浮き等が生じないための負圧抵抗性能を有しているものとし、改質アスファルトシートの製造所の指定する製品とする。
(2) 増張り用シートは、非露出複層防水用R種、厚さ2.5mm以上とする。
ただし、粘着層付改質アスファルトシートは、厚さ1.5㎜以上とする。
(3) その他の材料
(ア) プライマー、あなあきシート、防湿用シート、絶縁用テープ及びシール材は、改質アスファルトシートの製造所の指定する製品とする。
(イ) 押え金物の材質、形状及び寸法は、特記による。
特記がなければ、アルミニウム製L-30×15×2.0(mm)程度とする。
(ウ) 屋根露出防水断熱工法に用いる断熱材は、JIS A 9521(建築用断熱材) に基づく発泡プラスチック断熱材とし、種類及び厚さは、特記による。
ただし、硬質ウレタンフォーム断熱材2種1号又は2号の場合は、透湿係数を除く JIS A 9521の規格に準ずるものとする。
9.3.3 防水層の種別及び工程
防水層の工法による種別及び工程は、(ア)から(ウ)までにより、種別は特記による。
(ア) 屋根露出防水密着工法の種別及び工程は、表9.3.1による。
(イ) 屋根露出防水絶縁工法の種別及び工程は、表9.3.2による。
なお、脱気装置の種類及び設置数量は、特記による。
特記がなければ、種類及び設置数量は、改質アスファルトシートの製造所の指定とする。
(ウ) 屋根露出防水絶縁断熱工法の種別及び工程は、表9.3.3による。
なお、脱気装置の種類及び設置数量は、特記による。
特記がなければ、種類及び設置数量は、改質アスファルトシートの製造所の指定とする。
9.3.4 施工
(1) 防水層の下地は、次による。
防水層の下地は、9.2.4(1)による。
ただし、出隅は通りよく45°の面取りとし、入隅は通りよく直角とする。
(2) プライマー塗りは、次による。
コンクリート下地等の場合は、次による。
(a) 下地が十分乾燥した後に清掃を行い、塗布する。
(b) 塗付けは、改質アスファルトシート等の張りじまい部まで、均一に行い、乾燥させる。
(c) 塗付けは、下地以外の箇所を汚さないように行う。
(3) 目地処理は、次による。
(ア) ALCパネルの短辺部の目地は、次による。
(a) 種別 AS-T1 又は AS-T2 の場合は、改質アスファルトシート張付けに先立ち、幅 300mm程度の増張り用シートを両側に 100mm ずつ張り掛けて絶縁増張りとする。
(b) 種別AS-T3、AS-T4又はAS-J1 の場合は、部分粘着層付改質アスファルトシートの張付け又はあなあきシートの敷込みに先立ち、幅50mm 程度の絶縁用テープを張り付ける。
(c) 種別ASI-T1又はASI-J1の場合は、断熱材の張付けに先立ち、幅50mm程度の絶縁用テープを張り付ける。
(イ) プレキャストコンクリート部材の接合部の目地は、次による。
(a) 種別AS-T1又はAS-T2 の場合は、改質アスファルトシート張付けに先立ち、増張り用シートを両側に100mm 程度ずつ張り掛けて絶縁増張りとする。
(b) 種別AS-T3、AS-T4又はAS-J1 の場合は、部分粘着層付改質アスファルトシートの張付け又はあなあきシートの敷込みに先立ち、幅50mm 程度の絶縁用テープを張り付ける。
(c) 種別ASI-T1又はASI-J1の場合は、断熱材の張付けに先立ち、幅50mm程度の絶縁用テープを張り付ける。
(4) 増張りは、次による。
(ア) 出隅及び入隅は、改質アスファルトシート張付けに先立ち、幅200mm程度の増張り用シートを張り付ける。
(イ) ルーフドレン回りは、幅200㎜以上の増張り用シートを、ドレンのつばとスラブ面に、つばの端部から 100 ㎜程度の範囲の下地に張り掛ける。
(ウ) 配管回りは、幅150mm程度の増張り用シートを、下地面に 50mm程度張り掛けて、パイプ面に張り付ける。
さらに、配管周囲 150mm程度の下地面に増張り用シートを張り付ける。
(5) 改質アスファルトシートの張付けは、次による。
(ア) 平場の張付けは、次による。
(a) トーチ工法の場合は、次による。
① 改質アスファルトシートの張付けは、トーチバーナーで改質アスファルトシート裏面及び下地を均一にあぶり、裏面の改質アスファルトを溶融させながら均一に押し広げて密着させる。
② 改質アスファルトシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも 100mm以上とし、2層の場合は、上下層の改質アスファルトシートの接合部が重ならないようにする。
ただし、改質 アスファルトシートを部分的に融着する場合又は部分粘着層付改質アスファルトシートを張り付ける場合の幅方向は 100 ㎜以上重ね合わせとし、長手方向は次のいずれかによる。
㋐ 100㎜以上重ね合わせる。
㋑ 突き付けの場合は、その上に200×1,100(㎜)の改質アスファルトシート(非露出複層防水用R種)を張り付ける。
③ 改質アスファルトシートの重ね部の張付けは、改質アスファルトがはみ出す程度まで十分にあぶり溶融させて、水密性が確保できるように密着させる。
④ 種別 AS-T3、AS-T4又はASI-T1 の場合、立上り際の500mm程度は、改質アスファルトシートを全面密着させる。
(b) 常温粘着工法の場合は、次による。
① 改質アスファルトシートの張付けは、裏面のはく離紙等をはがしながら均一に押し広げて転圧、密着させる。
② 改質アスファルトシートの重ね幅は、(a)②による。
③ 改質アスファルトシートの重ね部の張付けは、改質アスファルトシートの製造所の仕様により、十分に密着させる。
④ 種別 AS-J1又はASI-J1の場合、立上り際の500mm程度は、改質アスファルトシートを全面密着させる。
(c) 断熱材の張付けは、次による。
屋根露出防水絶縁断熱工法における断熱材及び部分粘着層付改質アスファルトシートの張付けは、改質アスファルトシートの製造所の仕様による。
(イ) 立上り部の張付けは、次による。
(a) トーチ工法の場合は、次による。
① 改質アスファルトシートの張付け、重ね幅及び重ね部の張付けは、(ア)(a)による。
② 末端部は、各層の改質アスファルトシートを所定の位置で各層の端部をそろえ、押え金物で固定した上に、シール材を充填する。
(b) 常温粘着工法の場合は、次による。
① 改質アスファルトシートの張付け、重ね幅及び重ね部の張付けは、(ア)(b)による。
② 末端部は、(a)②による。
(ウ) ルーフドレン、配管等との取合いは、次による。
(a) トーチ工法の場合は、次による。
① ルーフドレン回りは、改質アスファルトシートを十分にあぶり溶融させて、入念に施工し、防水層端部にシール材を塗り付ける。
絶縁工法の場合は、ドレンのつばから400mm 程度は密着させる。
なお、ドレンのつばには改質アスファルトシートを100㎜程度張り掛ける。
② 配管類の場合は、改質アスファルトシートを所定の位置に防水層の端部をそろえ、ステンレス製の既製バンド等で防水層端部を締め付け、上部にシール材を塗り付ける。
(b) 常温粘着工法の場合は、次による。
① ルーフドレン回りは、改質アスファルトシートを製造所の仕様により、十分に密着させ、防水層端部にシール材を塗り付ける。
絶縁工法の場合は、ドレンのつばから400mm 程度は密着させる。
なお、ドレンのつばには改質アスファルトシートを100㎜程度張り掛ける。
② 配管類の場合は、(a)②による。
(6) 仕上塗料塗りは、改質アスファルトシートを張り付けた後、はけ、ローラーばけ等を用いてむらなく塗り付ける。
(7) 下地に部分的に溶着させる場合は、改質アスファルトシートの製造所の仕様による。
(8) (1)から(6)まで以外は、改質アスファルトシートの製造所の仕様による。
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