10.3.1 一般事項
この節は、石厚70mm以下の石材を湿式工法で1階の腰壁、根石部分等に、取り付ける工事に適用する。
10.3.2 材料
(1) 石材の厚さは、特記による。
なお、有効厚さは、25mm以上とする。
(2) 石材の加工
(ア) 引金物用の穴は、石材の上端の横目地合端に2か所とし、両端部から100mm程度の位置に設ける。
(イ) だぼ用の穴は、石材の上端横目地合端に2か所とし、両端部から150mm 程度の位置に設ける。
石材の下端は、石の割付けにより下段のだぼ位置に合わせる。
(ウ) 石裏面処理及び裏打ち処理の適用は、特記による。
10.3.3 施工
(1) 取付け代
石材の裏面とコンクリート躯体との間隔は、40mm程度とする。
(2) 下地ごしらえは、次による。
(ア) 下地ごしらえは次の(a)から(c)により、工法は特記による。
特記がなければ、流し筋工法とする。
(a) 流し筋工法は、次による。
埋込みアンカーを、縦横450mm程度の間隔であらかじめコンクリート躯体に打ち込み、これに縦筋を溶接する。
石材の横目地位置に合わせて横筋を配置し、これを縦筋に溶接して、引金物緊結下地とする。
(b) あと施工アンカー工法は、次による。
石材の引金物位置に合わせて、下地となるコンクリート躯体面にあと施工アンカーを打ち込み、引金物緊結下地とする。
(c) あと施工アンカー・横筋流し工法は、次による。
石材の横目地位置に合わせて、引金物取付け位置から両側100mm程度の箇所のコンクリート躯体面にあと施工アンカーを打ち込み、これに横筋を溶接して、引金物緊結下地とする。
(イ) 溶接箇所には、表 18.3.1[鉄鋼面錆止め塗料の種別]のA種の錆止め塗料を塗り付ける。
(3) 石材の取付けは、次による。
(ア) 下地清掃の後、最下部の石材 (幅木又は根石) は、水平、垂直及び通りを正確に据え付け、下端を取付け用モルタルで固定する。
上端は、引金物で下地に緊結した後、引金物回りを取付け用モルタルで被覆する。
(イ) 一般部の石材は、下段の石材の横目地合端に取り付けただぼに合わせて目違いのないように取り付ける。
この際、目地幅に相当する厚さのスペーサーをはさみ込む。上端の固定は、(ア)による。
(ウ) 出隅の石材の上端横目地合端には、かすがいを設ける。
(エ) 石材と引金物及びだぼとかすがいの固定は、専門工事業者の仕様により充填材料を充填する。
(4) 裏込めモルタルの充填は、次による。
(ア) 裏込めモルタルの充填に先立ち、目地からモルタルが流出しないように発泡プラスチック材等で目止めを行う。
(イ) 裏込めモルタルの充填は、石材1段積み上げるごとに行う。
充填の際、モルタルの圧力で石材が押し出されないように裏込めモルタルを2~3回に分け、かつ、空隙ができないように充填する。
(ウ) 充填した裏込めモルタルの上端は、石材の上端から 30~40mm程度下がった位置とする。
ただし、伸縮調整目地部分は、目地位置まで裏込めモルタルを充填する。
(5) 目地は、次による。
(ア) 一般目地は、次による。
(a) 目地幅は、特記による。
特記がなければ、6mm以上とする。
(b) 目地は、裏込めモルタルの硬化の程度を見計らい、順次目地をさらっておく。
石材の化 粧面を汚したときは、直ちに清掃する。
(c) 目地詰め前に目地部の清掃を行う。
目地にセメントモルタルを用いる場合は、空隙が生 じないように十分押し込んで詰める。
(d) 目地にシーリング材を用いる場合は、9章7節[シーリング]とし、シーリング材の目地寸法の幅及び深さは6mm以上とする。
(イ) 伸縮調整目地は、次による。
(a) 伸縮調整目地の位置は、特記による。
特記がなければ、表11.1.1[伸縮調整目地及びひび割れ誘発目地の位置]による。
(b) 伸縮調整目地の構造は、発泡プラスチック材等を下地コンクリート面に達するまで挿入し、シーリング材で仕上げる。
(c) シーリング材の目地寸法は、特記による。
特記がなければ、9.7.3[目地寸法](1)(ウ)による。
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