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7節 シーリング/9章 防水工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

9.7.1 一般事項

この節は、不定形弾性シーリング材 (以下「シーリング材」という。) を用い、部材の接合部、目地部の充填等のシーリングに適用する。

9.7.2 材料

(1) シーリング材は、JIS A 5758 (建築用シーリング材) による。
なお、有効期間を過ぎたものは使用しない。

(2) シーリング材の種類及び施工箇所は、特記による。
特記がなければ、種類は被着体に応じたものとし、表 9.7.1による。
ただし、カーテンウォール目地及び外装壁タイル接着剤張り目地の場合を除く。
なお、異種シーリング材が接する場合は、監督職員と協議する。

(3) 2成分形シーリング材の基剤及び硬化剤は、シーリング材の製造所の指定する配合とする。

(4) 塗膜防水に用いるシーリング材は、9.5.2(4)により、外装壁タイル接着剤張りに用いるシーリング材は、11.3.4[シーリング材]による。

(5) 補助材料

(ア) プライマーは、シーリング材の製造所の製品とし、被着体 (塗装してある場合は塗料) に適したものとする。

(イ) バックアップ材は、合成樹脂又は合成ゴム製でシーリング材に変色等の悪影響を及ぼさず、かつ、シーリング材と接着しないものとし、使用箇所に適した形状で、裏面に接着剤のついているものは目地幅より1mm程度小さいもの、接着剤のついていないものは目地幅より2mm程度大きいものとする。

(ウ) ボンドブレーカーは、紙、布、プラスチックフィルム等の粘着テープで、シーリング材と接着しないものとする。

表 9.7.1 被着体の組合せとシーリング材の種類

9.7.3 目地寸法

(1) シーリング材の目地寸法は、特記による。
特記がなければ、次による。

(ア) コンクリートの打継ぎ目地及びひび割れ誘発目地は、幅 20mm以上、深さ10mm 以上とする。

(イ) ガラス回りの目地は、16.14.3[ガラス溝の寸法、形状等]による場合を除き、幅・深さとも5mm 以上とする。

(ウ) (ア) 及び(イ)以外の目地は、幅・深さとも10mm以上とする。

(2) 目地等の形状は、凹凸、広狭等のないものとする。

9.7.4 施工

(1) 施工一般

(ア) 降雨、多湿等により結露のおそれがある場合は、作業を中止する。

(イ) プライマーの塗布及び充填時に被着体が、5℃以下又は 50℃以上になるおそれのある場合、作業を中止する。
ただし、仮囲い、シート覆い等による保温又は遮熱を行うなどの必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。

(ウ) 充填は、原則として、吹付け等の仕上げ前に行う。
仕上げ後に充填する場合には、目地周囲を養生し、はみ出さないように行う。

(2) 下地処理は、次による。

(ア) 下地が十分乾燥した後、油分、じんあい、モルタル、塗料等の付着物及び金属部の錆を除去して、清掃する。

(イ) 目地深さがシーリング材の寸法より深い場合は、バックアップ材を装着し、所定の深さが得られるようにする。

(ウ) 目地深さが所定の寸法の場合は、目地底にボンドブレーカーを用いて二面接着とする。
ただし、動きの小さい打継ぎ目地、ひび割れ誘発目地、建具枠回り等の場合は、三面接着とすることができる。

(3) プライマー塗りは、次による。
プライマーは、下地処理後、被着体に適したものを塗残しのないよう均一に塗布する。

(4) 充填は、次による。

(ア) 充填は、プライマー塗布後、シーリング材の製造所の指定する時間内に行う。

(イ) プライマー塗布後、ごみ、ほこり等が付着した場合又は当日充填ができない場合は、再清掃し、プライマーを再塗布する。

(ウ) 2成分形シーリング材は、製造所の指定する配合により練り混ぜて、可使時間内に使用する。
また、練り混ぜたシーリング材は、1組の作業班が1日に行った施工箇所を1ロットとして、各ロットごとにサンプリングを行い、サンプリング試料を整理して監督職員に提出する。

(エ) 充填用ガンのノズルは、目地幅に適したものを使用し、隅々まで行きわたるように加圧しながら充填する。

(オ) 充填後は、へらで押さえ、下地と密着させて表面を平滑に仕上げる。

(カ) 目地縁には、必要に応じて、マスキングテープを張り、へら押え後、直ちに取り除く。

(キ) 目地への打始めは、原則として、目地の交差部又は角部から行い、隙間、打残し、気泡が入らないよう目地の隅々まで充填する。
なお、打継ぎ箇所は、目地の交差部及び角部を避けて、そぎ継ぎとする。

(ク) 充填箇所以外の部分に付着したシーリング材は、直ちに取り除く。
ただし、シリコーン系シーリング材は、硬化後に取り除く。

(5) じんあいの付着、汚損等のおそれのある場合は、必要に応じて、養生を行う。

(6) 外部シーリングの施工後の確認は、次による。

(ア) 目地に対して正しく充填されていることを目視で確認する。

(イ) シーリング材の硬化及び接着状態を指触等で確認する。

(ウ) (ア)及び(イ)の結果、不具合があった場合は、監督職員と協議を行う。

9.7.5 シーリング材の試験

(1) 外部に面するシーリング材は、施工に先立ち、接着性試験を行う。
ただし、同じ材料の組合せで実施した試験成績書がある場合は、監督職員の承諾を受けて、試験を省略することができる。

(2) 接着性試験は、簡易接着性試験又は引張接着性試験とし、適用は特記による。
特記がなければ、簡易接着性試験とする。

(ア) 簡易接着性試験は、次による。

(a) 被着体は、実際の部材又は化粧見本とする。

(b) 図 9.7.1により、セロハンテープを張り、プライマーを塗布する。

(c) 角形バックアップ材を取り付け、セロハンテープ面とプライマー塗布面にシーリング材をシールし、シーリング材が弾性を発現するまで硬化させる。

(d) 硬化後、図9.7.1のように、シーリング材を180°回転させ、手で引っ張る。

(e) シーリング材が凝集破壊又は薄層凝集破壊した場合に、接着性を合格とする。

図 9.7.1 簡易接着性試験

(イ) 引張接着性試験は、次による。
JIS A 1439 (建築用シーリング材の試験方法) に基づく引張接着性試験とし、被着体は、使用する材料と同様に製作されたものとする。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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