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7節 せっこうボード、その他ボード及び合板張り/19章 内装工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

19.7.1 一般事項
19.7.2 材料
19.7.3 工法

19.7.1 一般事項

この節は、せっこうボード、その他ボード及び合板を用いて、天井及び壁の仕上げを行う工事に適用する。

19.7.2 材料

(1) せっこうボード、その他のボード類は表 19.7.1により、種類、厚さ等は特記による。
ただし、パーティクルボード及びMDFのホルムアルデヒド放散量は、特記による。
特記がなければ、F☆☆☆☆とする。
なお、天井及び壁に使用するものは、建築基準法に基づく防火材料の指定又は認定を受けたものとする。

表 19.7.1 ボード類の規格

(2) 表面に化粧単板張り等の加工を行ったボードの基材は、表19.7.1 による。

(3) 合板は、「合板の日本農林規格」に基づき、種類等は、次による。
なお、天井及び壁に使用する合板は、建築基準法に基づく防火材料の指定又は認定を受けたものとし、接着の程度は水掛り箇所を1類、その他を2類とする。
ただし、ホルムアルデヒド放散量等は、特記による。
特記がなければ、「F☆☆☆☆」、「非ホルムアルデヒド系接着剤使用」(普通合板及び天然木化粧合板に限る。) 、「非ホルムアルデヒド系接着剤及びホルムアルデヒドを放散しない塗料使用 」(天然木化粧合板に限る。) 又は「非ホルムアルデヒド系接着剤及びホルムアルデヒドを放散しない材料使用 」(特殊加工化粧合板に限る。) とする。

(ア) 普通合板は、「合板の日本農林規格」第4条「普通合板の規格」に基づき、表板の樹種名、板面の品質、厚さ及び接着の程度は、特記による。
また、屋内の湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を1類とする。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(イ) 天然木化粧合板は、「合板の日本農林規格」第8条「天然木化粧合板の規格」に基づき、化粧板の樹種名、接着の程度及び厚さは、特記による。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(ウ) 特殊加工化粧合板は、「合板の日本農林規格」第9条「特殊加工化粧合板の規格」に基づき、化粧加工の方法 (オーバーレイ、プリント、塗装等) 、表面性能、接着の程度及び厚さは、特記による。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(4) 小ねじ等

(ア) 材種及び形状は、取付け材料に適したものとする。

(イ) 鋼製のものは、亜鉛めっき等の防錆処理されたものとする。

(ウ) 浴室、洗面所、便所、湯沸室、厨房等の湿気の多い箇所に使用する小ねじ等は、ステンレス製とする。

(5) 接着剤は、JIS A 5538 (壁・天井ボード用接着剤) による。
ただし、接着剤のホルムアルデヒド放散量は、特記による。
特記がなければ、F☆☆☆☆とする。
なお、せっこうボードのコンクリート面への直張り用接着材は、せっこう系直張り用接着材とし、せっこうボードの製造所の指定する製品とする。

(6) ジョイントコンパウンドは、JIS A 6914 (せっこうボード用目地処理材) による。

(7) 継目処理に用いるテープ及び付属金物は、せっこうボードの製造所の指定する製品とする。

(8) 遮音シール材
軽量鉄骨下地ボード遮音壁に用いる遮音シール材は、JIS A 5758 (建築用シーリング材) に基づくアクリル系、ウレタン系等のシーリング材又は(6)のジョイントコンパウンドとし、適用は特記による。

19.7.3 工法

(1) 下地は次により、工法の種類は特記による。

(ア) 軽量鉄骨下地は、14 章4節[軽量鉄骨天井下地]及び 14 章5節[軽量鉄骨壁下地]による。

(イ) 木下地は、12章7節[壁及び天井下地]による。

(ウ) (ア)及び(イ)以外の下地は、特記による。

(2) 壁のボード類で仕上げ面の場合、縦張りとし、原則として、水平方向には継目を設けない。

(3) ボード類、合板等の張付けは、目地通りよく、不陸、目違い等のないように行う。

(4) 接着剤を用いる場合、施工中及び施工後、気温が5℃以下になると予想される場合は、施工を行わない。
ただし、採暖等の養生を行う場合は、この限りでない。

(5) ボード類、合板等の張付けは、次による。

(ア) ボード類を下地材に直接張り付ける場合の留付け用小ねじ類の間隔は、表19.7.2による。

表 19.7.2 ボード類の留付け間隔

(イ) ボード類を下地張りの上に張る場合は、接着剤を主とし、小ねじ、タッカーによるステープル等を併用して張り付ける。

(ウ) 合板類の張付けは表19.7.3 により、種別は特記による。
特記がなければ、B種とする。

表 19.7.3 合板類の張付け

(6) せっこうボードのせっこう系直張り用接着材による直張り工法は、次による。

(ア) コンクリート等の下地は、接着に支障がないよう表面を清掃し、下地に適したプライマーで処理し、乾燥させたものとする。

(イ) 直張り用接着材の間隔は、表 19.7.4 による。

表 19.7.4 直張り用接着材の間隔

(ウ) 直張り用接着材の盛上げ高さは、仕上げ厚さの2倍以上とする。

(エ) 断熱材下地の場合、下地に適したプライマーを処理後、直張り用接着材を下地に下こすりをして、こて圧をかけた後、直ちに所定の高さに直張り用接着材を塗り付ける。
なお、吹付け硬質ウレタンフォーム下地に直張り用接着材を施工する場合、施工に先立ち、吹付け硬質ウレタンフォーム下地とプライマーの接着力を確認する。

(オ) 張付けは、せっこうボードの表面を定規でたたきながら、上下左右の調整をして行う。

(カ) せっこうボード表面に仕上げを行う場合、せっこうボード張付け後、仕上材に通気性のある場合で7日以上、通気性のない場合で 20日以上放置し、直張り用接着材が乾燥し、仕上げに支障のないことを確認してから、仕上げを行う。

(7) せっこうボードの目地工法等は、次による。

(ア) せっこうボードは、表 19.7.5により、目地工法の種類は特記による。

表 19.7.5 目地工法の種類とせっこうボードのエッジの種類

(イ) 継目処理工法は、次による。

(a) テーパエッジの場合、ボードへり折り面どうしの継目の処理は次による。

① 下塗り及びテープ張りは次による。
継目部分の溝 (テーパエッジ部分) にジョイントコンパウンドをむらなく塗り付けた上に、直ちにジョイントテープを張り、ジョイントテープの端や小穴からはみ出た余分のジョイントコンパウンドはしごき押さえる。
なお、グラスメッシュテープを使用する場合は、ジョイントコンパウンドによる下塗りを省略することができる。

② 中塗りは次による。
下塗りが乾燥した後、ジョイントテープが完全に覆われるように、また、ボード面と平らになるように、幅150mm程度に薄くジョイントコンパウンドを塗り広げる。

③ 上塗りは次による。
中塗りの乾燥を確認後、むらを直すように薄くジョイントコンパウンドを塗り、幅 200~250mm程度に塗り広げて平滑にし、乾燥後、軽く研磨紙ずりをして、さらに、平滑に仕上げる。

(b) ベベルエッジの場合、ボードへり折り面どうしの継目の処理は次による。

① 下塗り及びテープ張りは次による。
継目部分のV溝にジョイントコンパウンドを埋め込みながら、その周辺を平らに仕上げる。
ジョイントテープ張りは、テーパエッジのテープ張りに準ずる。
なお、グラスメッシュテープを使用する場合は、グラスメッシュテープの中心に目地部分がくるように合せて圧着し、その上からジョイントコンパウンドを塗り、平らに仕上げる。

② 中塗りは、(a)②に準じて行う。
ただし、ジョイントコンパウンドは、できるだけ薄く、幅400~500mm程度に塗り広げる。

③ 上塗りは、(a)③に準じて行う。
ただし、ジョイントコンパウンドは、できるだけ薄く、幅500~600mm程度に塗り広げる。

(c) 切断面どうしの継目の処理は、切断面のボード用原紙表面を軽く面取りのうえ突付けとし、(イ)(a)に準じて行う。
ただし、ジョイントコンパウンドはできるだけ薄く、中塗りは幅400~500mm程度、上塗りは幅500~600mm程度に塗り広げる。

(d) 入隅部及び出隅部の処理は、次による。

① 入隅部は、ジョイントテープ等を2つに折ってL形にコーナーに当て、(イ)(a)の①及びに準じて行う。

② 出隅部は、コーナー保護金物等を使用する。

(ウ) 突付け工法は、ボードへり折り面どうしを突き合わせて張る。

(エ) 目透し工法は、ボードへり折り面どうしを、継目に底目地をとり、隙間をあけて張る。

(オ) その他部分の処理は、次による。

(a) 留め付けた釘や小ねじ等の頭のくぼみは、ジョイントコンパウンドをせっこうボード面と平らになるように塗り付け、平滑に仕上げる。

(b) せっこうボード張りの四周部、設備器具との取合い部等の隙間には、適切な充填材を充填する。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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