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7節 特殊部位の石張り/10章 石工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

10.7.1 一般事項

(1) この節は、石材をアーチ、上げ裏、笠木、甲板等に取り付ける場合及び隔て板等に使用する場合に適用する。

(2) 石材の取付け工法は外壁湿式工法、内壁空積工法又は乾式工法とし、適用は特記による。

10.7.2 アーチ、上げ裏等の石張り

(1) 材料

(ア) 石材の厚さは、特記による。

(イ) 石材の加工

(a) 見上げ面は、原則として、目地合端に 10.3.2(2)又は10.5.2(2)に準じて、金物用の穴を設ける。
なお、石材の幅が350mmを超える場合は、吊りボルト用の穴を石材1枚当たり2か所設ける。

(b) 下がり壁部分等は、原則として、縦目地合端に 10.3.2(2)又は10.5.2(2)に準じて、金物用の穴を設ける。
また、受金物用の力石は、だぼ2本と接着剤併用で石材裏面に1枚当たり2か所設ける。
なお、力石に代えて、受金物と同材を用いることができる。

(ウ) 石裏面処理及び裏打ち処理の適用は、特記による。

(2) 取付け代は、次による。

(ア) 内壁空積工法の場合は、10.3.3(1)による。

(イ) 乾式工法の場合又は見上げ面の取付けに吊りボルトを使用する場合は、10.5.3(2)による。

(3) 下地ごしらえは、次による。

(ア) 見上げ面は、次による。

(a) 乾式工法の場合は、構造体の施工時にアンカーを取り付ける。

(b) 吊りボルトを設ける場合は、構造体の施工時に吊金物受け用のアンカーを取り付ける。

(イ) 下がり壁部分等は、次による。

(a) 受金物は長さ100mmのものを所定の位置に、石材1枚当たり2か所設ける。

(b) 内壁空積工法の場合は、10.3.3(2)(ア)(c)のあと施工アンカー・横筋流し工法とする。

(c) 乾式工法の場合は、10.5.3(3)による。

(4) 石材の取付けは、次による。

(ア) 見上げ部分は、次による。

(a) 石材の取付けは、堅固な仮支持枠等により石材を支え、石材合端にあいだぼを入れて、引金物を用いて取り付ける。
なお、乾式工法の場合にあっては、適切な治具を用いることにより仮支持枠を省略することができる。

(b) 吊りボルトは、あらかじめ下地に取り付けた吊金物に、ナットが緩まない方法で留め付け、これを石材のボルト穴に通し、所定の位置にナットで留め付ける。

(イ) 下がり壁部分等は、次による。

(a) 空積工法の場合は、石材裏面に設けた力石を下地に設けた受金物に乗せ掛けた後、縦目地合端から引金物を横筋に緊結し、引金物回りを取付け用モルタルで被覆する。
隣り合う石材どうしには、あいだぼを設ける。

(b) 乾式工法の場合は、石材裏面に設けた力石を下地に設けた受金物に乗せ掛けた後、縦目地合端に設けたファスナーに石材を取り付ける。

(ウ) (ア)及び(イ)以外は、10.3.3(3)又は10.5.3(5)に準ずる。

(5) 目地は、次による。

(ア) 一般目地は、次による。

(a) 目地幅は、特記による。
特記がなければ、幅6mm以上とする。

(b) 目地を設ける場合は、9章7節[シーリング]のシーリング材とし、目地寸法の幅及び深さは6mm以上とする。

(イ) 伸縮調整目地は、次による。

(a) 伸縮調整目地の位置は、特記による。
特記がなければ、他の部位との取合い部に設ける。

(b) (a)以外は、10.3.3(5)(イ)の(b)及び(c)による。

10.7.3 笠木、甲板等の石張り

(1) 材料

(ア) 石材の厚さは、特記による。

(イ) 石材の加工は、次による。

(a) 外壁湿式工法の場合は、目地合端の片側に引金物用の穴あけを行い、また、目地合端両側にだぼ用穴あけを行う。

(b) 乾式工法の場合は、目地合端両側に2か所だぼ用の穴あけを行う。

(ウ) 石裏面処理の適用は、特記による。

(2) 取付け代は、次による。

(ア) 外壁湿式工法の場合は、10.3.3(1)による。

(イ) 乾式工法の場合は、特記による。
特記がなければ、10.5.3(2)による。

(3) 下地ごしらえは、次による。

(ア) 外壁湿式工法の場合は、10.3.3(2)(ア)(c)のあと施工アンカー・横流し筋工法とする。

(イ) 乾式工法の場合は、10.5.3(3)による。

(4) 石材の取付けは、次による。

(ア) 外壁湿式工法の場合は、笠木の長さは900mm程度とし、下地清掃後、目地合端の片側にだぼを取り付けておき、他端は引金物で下地に留め付け、通りよく目違い等のないように、裏込めモルタルを充填して固定する。

(イ) 乾式工法の場合は、10.5.3(5)に準ずる。
なお、石材の裏面の補強用モルタルの適用は、特記による。

(5) 目地は、外壁湿式工法の場合は10.3.3(5)、乾式工法の場合は、10.5.3(6)による。

(6) 屋内の面台、棚板の据付けは、10.6.2による。

10.7.4 隔て板

(1) 材料

(ア) 石材の厚さは、特記による。
特記がなければ、40mmとする。

(イ) 石材の加工 目地合端は上下2か所にだぼ用穴あけ、上端は所定の位置にかすがい用穴あけを行う。

(2) 工法は、次による。

(ア) 石材の隔て板を取り付ける場合は、傾き、ねじれ等の生じないように取付け用モルタルで壁及び床に固定する。

(イ) 隔て板と隔て板の取合いは、上端はかすがいを設け、合端は接着剤と上下2か所のだぼにより、堅固に取り付ける。

(ウ) 隔て板と前板の取合いは、(イ)による。

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4節 ガス圧接/5章 鉄筋工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

5.4.1 一般事項 5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者 5.4.3 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者 5.4.4 圧接部の品質 5.4.5 圧接一般 5.4.6 鉄筋の加工 5.4.7 鉄筋の圧接前の端面 5.4.8 天候等による措置 5.4.9 圧接作業 5.4.10 圧接完了後の圧接部の試験 5.4.11 不合格となった圧接部への措置 5.4.1 一般事項 この節は、鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて加熱し、圧力を加えながら接合するガス圧接に適用する。 5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者 (1) ガス圧接作業は、技能資格者が行う。 (2) 技能資格者は、 JIS Z 3881 (鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準) に従う工事に相応した試験に基づく能力を有する者とする。 (3) (1)及び(2)以外は、 1.5.3[技能資格者] による。 5.4.3 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者 (1) 5.4.10(イ) の圧接部の超音波探傷試験は、技能資格者が行う。 (2) 技能資格者は、圧接部に関する知識、超音波探傷試験の原理及び方法等について十分な知識及び経験に基づく能力を有する者とする。 (3) 圧接部の超音波探傷試験を行う技能資格者は、当該工事における圧接部の品質管理を行っていない者とする。 (4) (1)から(3)まで以外は、 1.5.3[技能資格者] による。 5.4.4 圧接部の品質 圧接後の圧接部の品質は、次による。 (ア) 圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1.4倍以上であること。 (イ) 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1 倍以上とし、その形状がなだらかであること。 (ウ) 圧接部のふくらみにおける圧接面のずれは、鉄筋径の1/4 以下であること。 (エ) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1/5以下であること。 (オ) 圧接部の折れ曲りは、2°以下であること。 (カ) 圧接部の片ふくらみは、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の1/5以下であること。 (キ) 圧接部は、強度に影響を及ぼす焼割れ、へこみ、垂下がり及び内部欠陥がないこと。 5.4.5 圧接一般

3節 モルタル塗り/15章 左官工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

15.3.1 適用範囲 15.3.2 材料 15.3.3 調合及び塗厚 15.3.4 下地処理 15.3.5 工法 15.3.1 適用範囲 この節は、コンクリート下地、コンクリートブロック下地等の面に施すセメント、細骨材等を主材料としたモルタル塗りに適用する。 15.3.2 材料 (1) モルタルは、現場調合材料又は既調合材料とし、適用は特記による。 (ア) 現場調合材料 (a) セメントは、 6.3.1[コンクリートの材料](1) による。 (b) 白色ポルトランドセメントは、 JIS R 5210 (ポルトランドセメント) に準ずる。 (c) 細骨材 ① 砂は、良質で塩分、泥土、じんかい及び有機物を有害量含まないものとする。 粒度は、表15.3.1により、細粗粒が適切に混合したものとする。 ② 色砂の粒度は、表15.3.1に準ずる。 ③ 内壁下塗り用軽量モルタルの細骨材は、セメント混和用軽量発泡骨材とし、建築基準法に基づく不燃材料の指定又は認定を受けたものとする。 (イ) 既調合材料は、特記による。 (2) 水は、水道水を使用する。 ただし、井水を使用する場合は、清浄で塩分、鉄分、硫黄分、有機物等を有害量含まないものとする。 (3) 混和材料は、次により、モルタルの性能に著しい悪影響を与えないものとする。 (ア) 混和材は、左官用消石灰、ドロマイトプラスター等とする。 また、色モルタルの場合は、色彩に影響を与えるものは避ける。 (イ) 保水剤は、メチルセルロース等の水溶性樹脂とし、実績等の資料を監督職員に提出する。 (ウ) 建具回り等の充填モルタルに使用する防水剤及び凍結防止剤の実績等の資料を監督職員に提出する。 (エ) ポリマーセメントモルタル、ポリマーセメントペースト用の混和剤は、 JIS A 6203 (セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂) に基づくセメント混和用ポリマーディスパージョンとする。 (オ) 内壁下塗り用軽量モルタルに使用する混和材は、骨材の製造所の仕様による。 (カ) 顔料は、耐アルカリ性の無機質で、直射日光等に対しても変色が少なく、金属を錆びさせないものとする。 (4) 吸水調整材の品質は、表 15.3.2 による。 (5) 下地調整塗材は、 JI

2節 表面処理/14章 金属工事/平成31年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

14.2.1 ステンレスの表面仕上げ 14.2.2 アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理 14.2.3 鉄鋼の亜鉛めっき 14.2.1 ステンレスの表面仕上げ ステンレスの表面仕上げの種類は、特記による。 特記がなければ、表面仕上げは、HL程度とする。 14.2.2 アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理 (1) アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理は、表14.2.1 により、種別は、特記による。 (2) 陽極酸化皮膜の着色方法は、特記による。 特記がなければ、二次電解着色とし、色合等は特記による。 (3) 種別が表14.2.1のAB-1種、AB-2種、AC-1種又はAC-2種の場合は、表面処理後に次の措置を講ずる。 (ア) アルカリ性材料と接する箇所は、耐アルカリ性の塗料を塗り付ける。 (イ) シーリング被着面は、水和封孔処理による表面生成物を取り除く。 14.2.3 鉄鋼の亜鉛めっき (1) 鉄鋼の亜鉛めっきは表14.2.2により、種別は特記による。 (2) 溶融亜鉛めっき面の仕上りは、 JIS H 8641 (溶融亜鉛めっき) に準じ、表14.2.3による。 また、溶融亜鉛めっき面の欠陥部分の補修は、表14.2.4による。 このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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