4.5.8 施工記録
4.5.1 一般事項
(1) この節は、アースドリル工法、リバース工法、オールケーシング工法及び場所打ち鋼管コンクリート杭工法並びにこれらと組み合わせた拡底杭工法に適用する。
(2) 4.5.5及び4.5.6に示す工法の適用は、特記による。
(3) 専門工事業者が工事の規模に相応した施工機械、施工体制、施工実績等を有していることを証明する資料を、監督職員に提出する。
4.5.2 場所打ちコンクリート杭地業における施工管理技術者
(1) 場所打ちコンクリート杭地業においては、施工管理技術者を配置する。
(2) (1)以外は、1.3.2[施工管理技術者]による。
4.5.3 場所打ちコンクリート杭の鉄筋等の溶接作業を行う技能資格者
(1) 場所打ちコンクリート杭の鉄筋等の溶接作業は、7.6.3[溶接作業を行う技能資格者]による技能資格者が行う。
(2) (1)以外は、1.5.3[技能資格者]による。
4.5.4 材料その他
(1) 鉄筋
(ア) 鉄筋は、5章2節[材料]による。
(イ) 鉄筋の加工及び組立は、次による。
(a) 帯筋の加工及び組立は、特記による。
(b) 鉄筋の最小かぶり厚さは、特記による。
(c) 鉄筋かごの補強は、特記による。
なお、鉄筋量が多く補強リングが変形するおそれのある場合は、監督職員と協議する。
(d) 主筋と帯筋の交差部の要所を鉄線で結束する。
(e) 溶接は、アーク手溶接又は半自動溶接とし、7.2.5[溶接材料]の溶接材料を使用して行う。
(f) 主筋への点付け溶接は行わない。
また、アークストライクを起こしてはならない。
(g) 組み立てた鉄筋の節ごとの継手は、特記による。
特記がなければ、重ね継手とし、重ね継手の長さは、表 5.3.2[鉄筋の重ね継手の長さ]による。
なお、鉄線で結束して掘削孔への吊込みに耐えるようにする。
(h) 組み立てた鉄筋には、孔壁と鉄筋の間隔を保つため、スペーサーを付ける。
スペーサーは、ケーシングチューブを用いる場合はD13以上の鉄筋とし、ケーシングチューブを用いない場合で、杭径 1.2m以下の場合は鋼板 4.5×38(mm)、1.2mを超える場合は鋼板4.5×50(mm)程度とする。
(i) (a)から(h)まで以外は、5章3節[加工及び組立]による。
(ウ) (ア)及び(イ)以外は、5章[鉄筋工事]による。
(2) コンクリート
(ア) セメントは、6.3.1[コンクリートの材料](1)により、種類は特記による。
特記がなければ、高炉セメントB種とする。
(イ) 混和剤は、6.3.1[コンクリートの材料](4)(a)による。
(ウ) コンクリートの設計基準強度(Fc)は、特記による。
(エ) コンクリートの種別は表 4.5.1 により、適用は特記による。
ただし、4.5.6 に規定する工法を用いる場合は、工法ごとに定められた条件による。
(オ) スランプは、特記による。
特記がなければ、18cmとする。
(カ) コンクリートの調合管理強度は、設計基準強度(Fc)に構造体強度補正値(S)を加えたものとし、(エ)及び(オ)を満足するように定める。
(キ) 構造体強度補正値(S)は、特記による。特記がなければ、3N/㎜ 2とする。
ただし、4.5.6に規定する工法を用いる場合は、工法ごとに定められた条件による。
(ク) フレッシュコンクリートの試験は、6.9.2[フレッシュコンクリートの試験]による。
なお、スランプ試験は、杭1本ごとに最初の運搬車についても行う。
(ケ) 杭の構造体コンクリート強度の試験は、6.9.3[コンクリートの強度試験]による。
ただし、供試体の養生は、6.9.3(1)(ア)による標準養生とする。
(コ) 杭の構造体コンクリート強度の判定は、材齢28 日の圧縮強度試験の1回の試験の結果が、調合管理強度以上であれば合格とする。
(サ) (ア)から(コ)まで以外は、6章[コンクリート工事]による。
(3) 鋼管
鋼管部分の材料は、特記による。
4.5.5 アースドリル工法、リバース工法及びオールケーシング工法
(1) 支持層の位置及び土質は、特記による。
(2) 試験杭は、次による。
(ア) 次の確認等を行い、その結果に基づき、支持層の確認を行うとともに、管理基準等を定める。
(a) 掘削中の孔壁の状況、泥水又は安定液の管理、掘削深さ、掘削形状、スライム沈着状況、スライム処理方法、鉄筋かごの設置状況、コンクリートの打込み方法、コンクリートの投入量、施工時間等の確認を行う。
(b) 掘削速度等の変化を確認する。
(c) 掘削した土砂と土質調査資料及び設計図書との照合を行う。
(d) アースドリル工法及びリバース工法においては、孔壁の保持状況、スライム対策に必要な泥水又は安定液の確認を行う。
(イ) 掘削完了後、掘削深さ及び支持層について、監督職員の検査を受ける。
(ウ) (ア)及び(イ)以外は、(3)及び4.2.2 による。
(3) 本杭は、次による。
(ア) 杭の支持層への根入れ深さ及び水平方向の位置ずれの精度は、特記による。
また、超音波測定器により孔壁を確認する場合は、特記による。
(イ) 掘削径は、設計径以上とする。
(ウ) アースドリル工法は、掘削孔壁の崩落防止に安定液を用いる。
なお、土質により安定液を用いない場合は、監督職員と協議する。
(エ) アースドリル工法の場合、ケーシング建込み深度までは、バケットにリーマーを用いて掘削することができる。
(オ) 全ての本杭について、(2)により定めた管理基準等と照合を行うとともに、支持層の確認を行う。
(カ) (オ)の確認後、孔底に堆積したスライム等は適切に処理をして、直ちに鉄筋かごを設置し、コンクリートの打込みを行う。
(キ) 鉄筋かごの浮上がりを防止する。
(ク) コンクリートの打込みは、トレミー工法により安定液、地下水、土砂等が混入しないよう、次により行う。
(a) コンクリートの打込み開始時には、プランジャーを使用する。
(b) コンクリートの打込みは、スライム等の巻き込みがなく一様に打ち上がるように連続して行う。
(c) 打込み中は、トレミー管の先端がコンクリート中に2m以上入るように保持する。
(d) オールケーシング工法の場合は、ケーシングチューブの先端がコンクリート中に2m以上入るように保持する。
(ケ) 杭頭部には、表4.5.1のA種の場合は、500mm以上、B種の場合は、800mm 以上の余盛りを行う。
(コ) 安定液を用いる場合は、掘削孔壁が崩落しないように、安定液の適切な管理を行う。
(サ) 安定液等に混入している泥分は、沈殿槽に集めて排除するなど、関係法令等に基づき適切に処理する。
(シ) 近接している杭は、連続して施工しない。
(ス) (ア)から(シ)まで以外は、専門工事業者の仕様による。
(セ) 施工記録は、4.5.8による。
4.5.6 場所打ち鋼管コンクリート杭工法及び拡底杭工法
(1) 支持層の位置及び土質は、特記による。
(2) 試験杭は、工法ごとに定められた条件以外は、4.2.2による。
(3) 本杭は、試験杭の結果及び工法ごとに定められた条件以外は、4.5.5(3)による。
(4) 施工記録は、工法ごとに定められた条件以外は、4.5.8による。
4.5.7 杭頭の処理
杭頭は、コンクリートの打込みから、14日程度経過した後、杭体を傷めないように平らにはつり取り、所定の高さにそろえる。
4.5.8 施工記録
全ての杭について、配筋の状態、杭の先端の土質、掘削中の孔壁の状況、安定液の状態、泥水の状態、掘削深さ、支持層深さ、掘削形状、スライム処理の状態、鉄筋かごの設置状況、コンクリートの投入量、フレッシュコンクリートの試験、施工時間、水平方向の位置ずれ寸法等を記録する。
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