16.2.1 一般事項
この節は、建具の製造所が通常製作している既製のアルミニウム押出形材及びその他の材料を用いて製作するアルミニウム製建具に適用する。
16.2.2 性能及び構造
(1) 建具の性能及び構造は、ドアセットの場合はJIS A 4702 (ドアセット) 、サッシの場合はJIS A 4706 (サッシ) による。
(2) アルミニウム製建具の性能値等
(ア) 耐風圧性、気密性及び水密性の等級並びに枠の見込み寸法は、特記による。
特記がなければ、外部に面する建具をコンクリート系下地又は鉄骨下地に取り付ける場合は、表 16.2.1、木下地に取り付ける場合は、表16.2.2により、種別は特記による。
(イ) 防音ドア、防音サッシとする場合の遮音性の等級は、特記による。
(ウ) 断熱ドア、断熱サッシとする場合の断熱性の等級は、特記による。
(エ) 耐震ドアとする場合の面内変形追随性の等級は、特記による。
16.2.3 材料
(1) アルミニウム材
(ア) 押出形材は、JIS H 4100 (アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材) による。
(イ) 板材は、JIS H 4000 (アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条) による。
(2) ステンレス鋼板は、16.6.3(1)による。
(3) 補強材、力骨、アンカー等は、鋼製又はアルミニウム合金製とする。
鋼製のものは、亜鉛めっき等の接触腐食の防止措置を講ずる。
(4) 気密材及び擦れ合う部分、振れ止め、戸当りの類は、耐久性を有し使用箇所に適したものとする。
(5) 網戸等は、次による。
(ア) 網戸の枠は、(1)(ア)による。
(イ) 防虫網は、合成樹脂製、ガラス繊維入り合成樹脂製又はステンレス (SUS316) 製とし、材質、線径及び網目は特記による。
特記がなければ、合成樹脂製とし、合成樹脂の線径は 0.25mm以上、網目は16~18メッシュとする。
(ウ) 防鳥網は、ステンレス (SUS304) 線材、線径は1.5mm、網目寸法は15mm とし、適用は特記による。
(6) アルミニウムに接する小ねじ等の材質は、ステンレス製とする。
(7) 建具用金物は、8節による。
(8) 枠の周囲に充填するモルタルは、表15.3.3[調合 (容積比) 及び塗厚の標準]による。
(9) 雨掛り部分の建具枠回りに使用するシーリング材は、9章7節[シーリング]による。
(10) (1)から(9)まで以外は、建具の製造所の仕様による。
(11) 木下地に取り付ける釘は、JIS A 5508(くぎ)に基づき、材質はステンレス製とする。
16.2.4 形状及び仕上げ
(1) 枠、かまち等に用いるアルミニウム板の厚さは、1.5mm以上とする。
(2) 建具の枠の見込み寸法は、特記による。
特記がなければ、外部に面する建具は、表 16.2.1又は表16.2.2による。
(3) 構造は、次による。
(ア) 枠見込み 70mmの建具に用いる引違い及び片引きの障子は、ガラスのはめ込みにグレイジングチャンネルが使用できる構造とする。
(イ) 外部に面する引違い窓及び片引き窓は、容易に網戸が取り付けられる構造とする。
(ウ) 外部に面する建具のガラス溝の寸法、形状等は、16.14.3による。
なお、屋内に使用する建具のガラス溝は、建具の製造所の仕様による。
(4) アルミニウムの表面処理は14.2.2[アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理]により、種別、標準色・特注色の別等は特記による。
なお、溶接する箇所は、原則として、溶接後に表面処理を行う。
(5) ステンレス製くつずりを使用する場合の厚さは、表16.4.2 により、仕上げは、16.4.4(5)による。
(6) 製品の寸法許容差及び相対する辺寸法の差は、JIS A 4702又はJIS A 4706 による。
(7) 結露水の処理方法は、特記による。
16.2.5 工法
(1) 加工及び組立は、次による。
(ア) 枠、くつずり、水切り板等のアンカーは、建具に適したものとし、両端から逃げた位置から、間隔500mm以下に取り付ける。
(イ) 雨水浸入のおそれのある接合部には、その箇所に適したシーリング材又は止水材を用いて止水処理を行う。
(ウ) 水切り板、ぜん板等は、特記による。
(エ) 水切り板と下枠との取合いには、建具枠回りと同一のシーリング材を用いる。
(オ) 枠及び戸の付属部品の取り付く箇所には、必要な補強を行う。
(2) 取付けは、次による。
(ア) コンクリート系下地の場合は、次による。
(a) くさびかい等により仮留め後、サッシアンカーをコンクリートに固定された鉄筋類に溶接又はサッシアンカーをコンクリートに固定された下地金物にねじ等で留め付ける。
(b) 枠の内外面に型枠等を設けて、表15.3.3[調合 (容積比) 及び塗厚の標準]によるモルタルを密実に充填し、必要に応じて、補強等を行う。
(c) 屋内で、水掛り部分以外の場合は、くさびかいのままモルタルを充填することができる。
(d) くつずり、下枠等のモルタル充填の困難な箇所は、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けておき、モルタル詰めを行った後に取り付ける。
(イ) 鉄骨下地の場合は、次による。
建具枠の四周において、鉄骨下地との間にくさび、平板等をはさみ込んで仮固定後、溶接、小ねじ留め等とする。
なお、溶接箇所は表 18.3.2[亜鉛めっき鋼面錆止め塗料の種別]のA種の錆止め塗料を塗り付ける。
(ウ) 木下地の場合は、次による。
(a) 窓まぐさ、窓台、柱、方立等に、くさびかい等により仮留め後、アンカーをステンレス製木ねじ、釘等で堅固に留め付ける。
両端から逃げた位置から、間隔500㎜以下に取り付ける。
(b) 外部に面する建具回りの止水処理は、次による。
① 外壁開口部の窓台まわりは、「公共建築木造工事標準仕様書」11.4.3[施工](2)(エ)(b)により、止水処理後、建具を取り付ける。
② 建具回りの両面粘着防水テープの施工は、「公共建築木造工事標準仕様書」11.4.3[施工](2)(エ)(c)による。
③ サイディング「公共建築木造工事標準仕様書」20 章3節[サイディング工事]に取り付ける建具は、建具の下枠の水切りをサイディング表面から30mm 程度出す。
④ 内付け建具は、建具の製造所の仕様により、適用は特記による。
(c) FRP系塗膜防水「公共建築木造工事標準仕様書」11 章2節[FRP系塗膜防水]と建具が取り合う場合は、FRP系塗膜防水工事を施工した後、建具の取付けを行うものとし、建具の取付けは次による。
① 建具の下枠と縦枠の釘打ちフィンとFRP防水層の間にシーリング材を隙間が生じないように充填する。
下枠のねじ打ち部にドリルで下穴を施した後、ねじ止めし、ねじ頭にシーリング材を塗布する。
② FRP系塗膜防水工事の後の建具の取付けにより、建具と建具取付け下地に隙間が生じた場合には、建具釘打ちフィンの裏側にパッキン材を設ける。
③ バルコニー内側の外壁及び手すり壁の下端に設置する水切りは、その上端部が、防水層の上端部から 50 ㎜程度下がった位置になるように取り付け、水切りと建具取合い部にシーリングを施す。
④ 建具縦枠の防水テープは外壁下端の水切り立上り部にかぶせ、連続して張る。
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